ST介護職の考え事

認知症・高次脳機能・ケアについての覚え書き

2020-06-01から1ヶ月間の記事一覧

一口量を考える-誤嚥・窒息を防ぐ/スムーズな食事に適切な1口量の評価-

食事介助の現実 一口量はどのくらいが適切か? ①咽頭期障害の有無 ②口腔・咽頭残留 ③口腔期(咀嚼・食塊形成・送り込み)がスムーズに惹起する 食事介助の現実 食事介助 医療にしても介護にしても、基本的に人手不足でどこの現場もとても忙しいです。 食事介…

なぜ「とろみ」をつけるのか?

ムセるなら、とりあえず「とろみ」をつければいいか? 「〇〇さん最近よくムセるから、とろみを濃くしませんか?」 言語聴覚士として特養で働いていると、こんな相談を受けることがよくあります。 「嚥下障害=食事でムセる=とろみをつける」 という単純な…

食事の姿勢について③-のどの構造から考える食事姿勢としての「側臥位」のメリット

咽頭で食塊は左右に分かれ流入する! 食事姿勢としての「側臥位」 完全側臥位法 頸部回旋と側臥位 咽頭で食塊は左右に分かれ流入する! 喉頭 まず、のどへ送り込まれた食塊の流れについて考えてみましょう。 奥舌にそって送り込まれていく食塊は、喉頭蓋で一…

食事の姿勢について②-食べやすい姿勢≠誤嚥しにくい姿勢

「食べやすい姿勢」「誤嚥しにくい姿勢」 特養で働いていると、食事が来たとたんにセッティングしていたリクライニング車いすの角度を90°近くに戻していくスタッフの方がたまにいらっしゃいます。 もちろん良かれと思ってのことです。 「寝たまま食べたら…

食事の姿勢について①-上向き·頚部伸展位はなぜ危ないか?

なぜ頸部伸展位は危ないのか 食事介助の際、「上向きにならないように」「顎が上がらないように」という注意点はどんなものにも記載してあることが多いです。 上を向いている・顎が上がっている状態を「頸部伸展」している状態と言います。 この頸部伸展位は…